たったこれだけ!元大手予備校講師が教える読書感想文の書き方のコツ  ーここで差がつく!考えを深めるコツー


読書感想文 書き方 コツ ブン子

ここで差がつく!考えをもう一歩深めるコツ


考えをもう一歩踏み込んで深める、というのは、どの年齢でも関係なく、それこそ小論文などに即響く、文章力に差のつく大事なポイントです。
残念なことに、手順が不透明で、具体的にどうやればいいの?とピンとこないままの方も多いのが現実。

ここでは、それを集中的に説明し、最後、この手順でこういう文章が書けるという実例をあげますね。


題材にする本は初めての方向け手順と同じ本ですが、
解説内容は初めてのかたむけのところと違います。
ここでは、考えを深めるコツをもっともっと集中的に説明します。

『いじわるなないしょオバケ』
低学年向け課題図書ですが、
下に書いたあらすじもすぐ読めてしまうので、
まず読んで考えの深め方の具体例に進んでください。

『いじわるなないしょおばけ』

ーあらすじー
うっかりママの大切なしんじゅのネックレスをサラ壊してしまいました。
サラは本当のことがママに言えません。
ママに「どうしたの?」と聞かれてサラは思わず、
「ううん、べつに。」と答えてしまいます。
すると小さなオバケがサラの口からピョコンととびだしたのです!
オバケの名前は「ないしょオバケ」。
内緒の言葉を歌いながら部屋をぐるぐる回ってサラにいじわるをするんです。
しかも、一つ内緒が増える度に「ないしょオバケ」も新しくピョコンと一つ・・・。
ほんの小さな嘘ですが、嘘をついているから、いつもの事がいつもの様に出来なくなってしまうサラ。
こんな経験は誰にでもあるはず!というストーリー。
結局、サラは本当のことを言って、ネックレスはお父さんが直してくれました。

テーマ
「隠し事しているときの心の状態」これを深めていく手順です。

考えを深める手順
・まず主人公と自分同じとこある?YES、NO

(YES)

嘘をついたとき同じだよね?と共感した
どんなときそう思ったかふりかえる

振り返ってみて、思いついたことを書き並べる ↓ここまでは簡単にできますね?
------------------------------------------------------------------------------------------------
↓ここから踏み込んでいきます。

「もしもこうだったら?」と様々な仮定をしてみる。

「もしも・・・?」これが一歩踏み込むコツ

もしも、ずっとサラが隠していたら?
もしも、お母さんが、「なんか最近あの子変だなあ」って心配していたら?
そして!
もしも、ママがネックレスを必要とする日がきたときに、サラが壊したバラバラのままだったら?
もしも、お母さんが、自分が何かしたから「最近あの子ふさぎ込みがちなのかしら?」
とか心配し続けてそれがふくらんで、お母さんが「それは私のせいかしら?」って悩んでしまったら?

もしもこうだったら?といろいろ考えてみます。
この「もしも?」といろいろ考えてみることが
もう一歩踏み込んで考えることになるのです。

それと、もう一つ。
角度を少し変えて考えてみる!
人間、自分があれば、必ず相手があるわけです。
そこに注目します。

自分の心に注目しているサラ。
でも、相手=お母さんの心、を大事にしているだろうか?

こういう問題提起ができると思います。

「自分の不安を優先させて、その結果相手の心ををないがしろにしてないか?」
「自分の心だけでなく、相手の心も大事にするってどうすることか?」

その問題提起とまとめの具体例です。

例)
小さなことでも、隠しているうちにどんどん言いにくくなる。
その状態は、自分の気持ちは平和ではなく、重苦しいものだ。
隠していることも解決していないままだ。
サラのバラバラにしたネックレスをお父さんが直してくれたように
早く言えばそれだけ、早く解決がつくことだってあるはずだ。
もし、サラがぐずぐずしている間に、お母さんがそのネックレスを使う日が
きてしまったら、と考えると怖い。

本当に必要になったときに、自分の勇気のなかったせいで相手をものすごく困らせてしまうからだ。
自分が隠していたせいで、本当に必要になったときにネックレスが使えなかったら
お母さんがどんなに悲しんだり残念に思ったりするか。
ネックレスを使えなくなる落胆の上に、
私がお母さんに隠し事をしていて、今まで過ごしていた、ということもお母さんを苦しめてしまう。
何重ものにいやな思いをさせてしまうことになる。
言えば解決できる隠し事、隠していたら後で大変になるかもしれないことを
言わないでいるというのは、そういうことなんだ。
それは一つの放置でしかない。

それに、お母さんが私の言動がなんか変わった、と心配してしまうかもしれない。
それはお母さんのせいかもしれないと、お母さんが悩んでしまうかもしれないのだ。
そうなったら、相手が無駄に心配したりや悩む原因を作ってしまうことになる。

つい言いにくいから、言ったら怒られるかもしれない、と不安におびえ
ただそのままにして逃げていたら、
相手が未来に感じる悲しみや落胆より、今の自分の言いにくさばかりを考え優先させてることになる。
相手の心を軽くみていることにつながるのではないか。
言いにくい大事なこと、そしてそれを隠している場合、相手に打ち明けるのはとても勇気がいることも多い。
しかし、その勇気は相手への愛情とも言える。
どうしてもいやなことは避けてしまおうとしがちだが、
避けることは、相手にとって、愛情あることなのか、単なる自分の甘えではないか、よく考えて行動したい。

あくまでも一つの例ですが、参考にしてください。

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